① サイコロの「平均」と「ばらつき」について
サイコロを1回振ると、1〜6のどれかが出ます。ずっと振り続けると、だいたい
3.5 という数字に近づいていきます。これを「
期待値」と呼びます。
「なんとなく真ん中の3じゃないの?」と思った人、惜しい! でも1〜6の
ちょうど真ん中は3と4の間、つまり
3.5 なんです。計算してみると:
(1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6) ÷ 6 = 21 ÷ 6 = 3.5
1から6を全部足すと21、それを6で割ると3.5。21は6で割り切れないので答えが小数になり、ちょうど3と4の真ん中の値になります。
でも毎回ぴったり3.5が出るわけではなく、大きかったり小さかったりします。このズレの大きさを「
分散」といいます。
分散は「各目が期待値からどれだけ離れているか」を2乗して平均した数です。各目のズレを計算すると:
目1のズレ:1 − 3.5 = −2.5 → 2乗すると 6.25
目2のズレ:2 − 3.5 = −1.5 → 2乗すると 2.25
目3のズレ:3 − 3.5 = −0.5 → 2乗すると 0.25
目4のズレ:4 − 3.5 = +0.5 → 2乗すると 0.25
目5のズレ:5 − 3.5 = +1.5 → 2乗すると 2.25
目6のズレ:6 − 3.5 = +2.5 → 2乗すると 6.25
これを全部足して6で割ると:
(6.25 + 2.25 + 0.25 + 0.25 + 2.25 + 6.25) ÷ 6 = 17.5 ÷ 6 ≈ 2.917
これが分散です。なぜ「ズレをそのまま足さずに2乗するか」というと、プラスとマイナスが打ち消し合って合計がゼロになってしまうからです(−2.5と+2.5はどちらも同じくらいのズレなのに足すとゼロ)。2乗することで必ずプラスになり、ズレの大きさだけを取り出せます。
そのルートを「
標準偏差」といいます。ルートとは「2乗してその数になる値」のことで、たとえば 9 のルートは 3 です(3×3=9 だから)。分散はズレを2乗して求めているので、単位も2乗されてしまいます(サイコロの目の単位を「点」とすると、分散の単位は「点²」になってしまう)。ルートを取ることで単位を元の「点」に戻し、「だいたいこのくらいのズレがある」と感覚的にわかる数にします:
標準偏差 = √2.917 ≈ 1.708
ただし、サイコロ1個のときは1〜6がそれぞれ1/6の確率で均等に出るだけで、「3.5付近にブレる」わけではありません。標準偏差1.7はあくまで「1〜6という6つの値が、平均3.5からどのくらい広がって散らばっているか」を表す数です。±1.7という数字の意味が実感しやすくなるのは、サイコロをたくさん振って合計や平均を見るときです。サイコロが増えるほど、合計値のズレ方も(もちろん)大きくなりますが、
平均値のズレはだんだん小さくなっていきます。
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② 出目の頻度分布グラフについて
「📊 出目の頻度分布」グラフは、1〜6の各目が
何回出たかを棒グラフにしたものです。
本当に公平なサイコロなら、どの目もだいたい同じくらい出るはずです(全体の約 1/6、つまり約 17%)。これがオレンジの点線で示されている「
理論値」です。たくさん振るほど、青い棒がこの点線に近づいていきます。最初は「1ばかり出る!」と感じても、続けると均等になっていきます。
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③ 合計値の分布グラフについて
「📈 合計値の分布」グラフは、n個のサイコロを同時に振ったときの
合計がどんな値になりやすいかを表しています。
たとえばサイコロを
10個 振る場合、1個あたりの期待値は3.5なので、合計の期待値は:
3.5 × 10 = 35
つまり「合計は35付近が一番出やすい」ということです。グラフを見ると、棒が一番高いところが35あたりになっているはずです。確認してみましょう!
なぜ35が一番出やすいか、計算しなくても直感でわかる考え方があります。
合計10になる出目の組み合わせは「全部1」の1通りだけです。でも合計35になる出目の組み合わせは「3,3,3,3,3,4,4,4,4,4」でも「1,3,3,4,4,4,4,4,6,2」でも「2,2,3,4,4,4,4,4,6,2」でも……と、
ものすごくたくさんあります。出やすい値=たどり着く出目の組み合わせが多い値、ということです。これが山が真ん中に盛り上がる理由です。
また、端の値(全部1の合計10や、全部6の合計60)はほとんど出ないので、山は35を中心に左右に広がります。サイコロを増やせば増やすほど、この山が「釣り鐘のような左右対称のきれいな形(
正規分布)」にそっくりになっていきます。これを「
中心極限定理」といいます。
ちなみにサイコロが
1個のときは、1〜6のどの目も同じ確率で出るのでグラフはフラット(平ら)になります。釣り鐘とは正反対の形です。スライダーを1にして試してみてください!
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④ 累積平均の収束グラフについて
「🔄 累積平均の収束」グラフは、振るたびに「
これまでの全部の目の平均」を折れ線で記録したものです。
最初は値がガタガタと大きく揺れますが、振る回数が増えるにつれてだんだん
3.5 という線に近づいていきます。これが「
大数の法則」です。「コインを10回投げてもぜんぶ表になることがあるけど、10000回投げると必ずだいたい半分になる」という、あの感覚と同じです。
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⑤ χ²(カイ二乗)統計量グラフについて
「🎯 χ² 統計量の推移」グラフは、「
出目に偏りがあるかどうか」を数値1つで表したものです。
もし特定の目ばかり出て偏っていれば数値が大きくなり、まんべんなく出ていれば小さくなります。グラフの赤い点線(11.07)を超えると「このサイコロは偏っている可能性が高い」とみなせます(確率5%未満の偶然、つまり「めったにない」と判断する基準)。公平なサイコロなら、この折れ線はだいたい
5 付近をフラフラしているはずです。
📐 数値の求め方(具体例)
たとえば合計60回振って、各目の出た回数が下の表だったとします。
公平なサイコロなら1〜6のどの目も 60÷6=
10回 出るはず(=期待値)。
| 目 |
出た回数(観測値) |
期待値(60÷6) |
ズレ²÷期待値 |
| 1 | 12 | 10 | (12−10)²÷10 = 0.4 |
| 2 | 8 | 10 | (8−10)²÷10 = 0.4 |
| 3 | 11 | 10 | (11−10)²÷10 = 0.1 |
| 4 | 9 | 10 | (9−10)²÷10 = 0.1 |
| 5 | 13 | 10 | (13−10)²÷10 = 0.9 |
| 6 | 7 | 10 | (7−10)²÷10 = 0.9 |
6目分を全部足すと →
χ² = 0.4+0.4+0.1+0.1+0.9+0.9 = 2.8
この例では 2.8 なので赤い点線(11.07)をはるかに下回り、「偏りなし」と判断できます。
なぜ「ズレ²」を使うの?
ズレをそのまま足すと、プラスのズレとマイナスのズレが打ち消し合ってしまいます。
二乗することでどちらのズレも「正の数」にそろえ、大きなズレを特に強調できます。
最後に期待値で割るのは、「もともと少ない目のズレ」と「よく出る目のズレ」を公平に比べるためです。
11.07 という数字はどこから?
サイコロは6目あり、合計が固定されているため自由に動けるのは 6−1=
5 個分です(自由度5)。
この自由度5のカイ二乗分布で「上位5%に入るほど大きい値」が 11.07 と統計の表で決まっており、
「11.07を超えたら偶然とは言いにくい=偏りあり」の目安として使っています。
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